メンタルヘルス・労働災害

労働災害とは

労働災害とはどのような場合をいうのですか。

労働災害とは、労働者が労務に従事したことによって被った負傷、疾病、死亡と解されています。

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労災保険が支給される場合

労災保険はどのような場合に支給されるのですか。

業務災害(労働者が就業中に業務が原因となって被った負傷、疾病または死亡。以下「負傷、疾病または死亡」を「傷病等」といいます。)・通勤災害(通勤によって労働者が被った傷病等)に関する保険給付と、脳血管疾患・心臓疾患の予防・治療のための二次健康診断等給付になりますが、問題となることが多いのは、以下の業務災害と通勤災害に関する保険給付になります。

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労災保険の支給手続と不服申立手続

業務災害や通勤災害が発生した場合には、どのような手続をすれば労災保険が支給されますか。労災保険が出なかったり、内容に不服があったりした場合の手続はどのような流れになりますか。

原則として、被災した労働者または遺族が事業所の所在地を管轄する労働基準監督署長に労災保険給付の支給請求をして、労働基準監督署長が支給決定をします。
上記の支給請求書には事業主証明欄があり、被災事実や賃金関係の証明印が必要となります。
労働基準監督署長の決定に不服がある場合の不服申立手続は、以下の流れになります。

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労災保険と労働契約の締結

労災保険は、労働契約を締結していないと受給が認められないのでしょうか。

原則として、労働者を1人でも使用する事業は、その事業主や労働者の意思にかかわらず、労災保険の適用事業となります(ただし、国の直営事業など、適用が除外される事業もあります。)。

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労災保険給付の請求手続における事業主の義務

労災保険給付の請求手続について、事業主にはどのような義務があるのですか。事業主はどのような場合でも対応しなければならないのですか。

たとえば、労災保険給付である療養補償給付たる療養の給付を受けようとする者は、「負傷又は発病の年月日」「災害の原因及び発生状況」について事業主の証明を受けなければならず(労働者災害補償保険法施行規則12条2項)、事業主は、保険給付を受けるべき者が、事故のため、みずから保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合には、その手続を行うことができるように助力し、保険給付を受けるべき者から保険給付を受けるために必要な証明を求められたときは、すみやかに証明をしなければなりません(労働者災害補償保険法施行規則23条)。

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労働災害発生についての責任

労働災害が発生した場合、会社・役員・社員はどのような責任を負う可能性があるのですか。

労働災害に関して会社・役員・社員が負う可能性がある責任は、一般的には、刑法(業務上過失致死傷)・労働関係法違反(労働安全衛生法、労働基準法)などによる刑事上の責任(刑罰の対象となりうる)、被災した労働者や遺族に対する安全配慮義務違反による民事上の損害賠償責任(根拠は、民法415条、709条、715条など)、行政上の責任(使用停止・作業停止等)、社会的責任(社会的信用の失墜等)などがあり得ます。

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会社の安全配慮義務

労働契約を締結している使用者(もしくは事業主)だけが労働契約上の安全配慮義務を負うのでしょうか。また、法律に定める基準さえ守っていれば、安全配慮義務違反はないと理解して良いでしょうか。

そうとまではいえません。
労働契約法5条は、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と定め、使用者の労働契約上の安全配慮義務を明記しています。具体的には、「労働者が労務提供のため設置する場所、設備もしくは器具等を使用し又は使用者の指示のもとに労務を提供する過程において、労働者の生命及び身体等を危険から保護するよう配慮すべき義務」(川義事件 最3小判昭59.4.10)と解されています。
そして、直接労働契約を締結していない場合でも、特別な社会的接触の関係にあるとして信義則上労働者に対して安全配慮義務を負うことがあると解されています(三菱重工事件 最1小判平3.4.11)。

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労災保険支給と損害賠償請求

労災保険が支給されたら、使用者は労働者に損害賠償しなくて良いのでしょうか。

そうとまではいえません。
使用者は、労働基準法の定める労災補償を行った場合は、同一事由(当該労災)については、補償をした価額の限度で民法上の損害賠償の責任を免れます(労働基準法84条2項)。また使用者は、労働者災害補償保険法により労災保険給付がなされるべき場合は労働基準法上の補償の責を免れるので(同条1項)、被災した労働者またはその遺族に労災保険給付が行われた場合にも、支払われた価額の限度で同様に損害賠償の責を免れる(同2項)と解されます。

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労災保険の申請手続き

半年前に脳梗塞で亡くなった当社の社員のご遺族が、死亡の原因は当社での過重業務だから労災申請をするので事業主証明を出して欲しいと言ってきています。
当社は、死亡の原因は社員の持病であり当社の業務と無関係と考えていますので、このような要請には一切対応しなくて良いでしょうか。

一切対応しなくて良いとはいえません。
事業主は、労災保険給付を受けるべき者から保険給付を受けるために必要な証明を求められたときは、すみやかに証明をしなければなりません(労働者災害補償保険法施行規則23条2項)ので、貴社が、当該社員の死亡の原因が貴社の業務と無関係と考えていたとしても、ご遺族の要請に一切対応しなくて良いとまではいえません。

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社員の精神疾患への対応

当社の社員は、最近、遅刻を繰り返したり、勤務時間中に奇声を発したりするなど、何らかの精神疾患と思われる状況が見うけられます。
当社の産業医の精神科医に受診して欲しいと考えていますが、法定健康診断ではない場合には、受診を命令することはできないのでしょうか。

受診を命令できる場合もあります。
労働安全衛生法が事業者に実施を義務付けている法定健康診断(労働安全衛生法66条1項乃至3項)について、同法は労働者に受診義務を課しています(労働安全衛生法66条5項。ただし、同項但書は、労働者が事業者の指定する医師とは別の医師により健康診断を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出することも認めています)。

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