解雇・退職

懲戒解雇(勤務態度不良)

当社は飲食店のチェーンを経営しておりますが、ある店舗の店長を任せている正社員が、マニュアルを無視した調理や接客を行い、アルバイトに対して些細なことで怒鳴りつけ、椅子やテーブルを蹴り飛ばす等、自分勝手な行動を繰り返しており、困っています。
度々注意をしてきているのですが、一向に改善される様子はありません。店長がこのような状態ですので、アルバイトが長続きせず、正常に店舗を経営していくのが困難になってきております。
何とかしてこの社員を辞めさせたいと考えているのですが、現状で懲戒解雇することは可能でしょうか。

懲戒解雇が認められるためには、一定の要件を満たす必要があります。
労働契約法15条は「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする」と定めています。
よって、同条の要件を満たすか慎重な判断が必要となります。

詳しい解説

まず、懲戒解雇が有効とされるためには、「使用者が労働者を懲戒することができる場合」にあてはまらなければなりません。すなわち、「あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくこと」および就業規則「の内容を適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていること」(フジ興産事件:最二小判平15.10.10)が求められます。
ですから、貴社においても就業規則に懲戒解雇の種類・程度が明記されており、従業員が就業規則の内容をいつでも知ることができる状態にしておくことが必要です。

次に労働者の問題となる行為が就業規則上の懲戒事由に該当し、「客観的に合理的な理由」があると認められなければなりません。

本件においては、当該社員の勤務態度が職場規律違反、業務命令違反等の懲戒事由にあたる可能性がありますが、具体的行為の性質・態様から慎重に判断すべきです。

最後に、懲戒解雇という処分が労働者の問題となる行為の「性質・態様その他の事情に照らして社会通念上相当なものと認められない場合」にあたらないかを検討します。

本件においては、当該社員の問題となる行為の性質・態様やこれまでの勤務歴から懲戒解雇が重すぎないと認められる必要があります。

以上のように、懲戒解雇には様々な要件があり、要件を満たすかどうかは慎重に判断されるべきものですので、法律の専門家である弁護士等に相談されることをお勧めいたします。