配置転換・出向・転籍

一方的な降格

当社の置いている営業所の一つの業績不振が激しく、その営業所の所長が、所長としての適格性に欠けていると人事評価がなされたため、所長代理に降格させることを考えています。
しかし、所長代理への降格を通告したところ、「私は所長代理の仕事をする気は無い」と言って承諾してくれません。
本人がこのような態度では、所長代理のポストをつけたところで、かえって営業所の業務に支障を来たすおそれがあるため、所長代理よりも下の営業社員への降格を検討しています。
いきなり2ランク下へと降格させることは出来ないのでしょうか。

人事権の行使として裁量の範囲内であれば2ランク下の降格も認められる場合があります。

詳しい解説

降格には、人事権の行使として行われる降格と、懲戒処分として行われる降格があります。本件のように、一定の役職を解く降格については、就業規則に根拠規定がなくても人事権の行使として裁量的判断により、可能であるとされています。

ただし、裁量といっても無制限に認められるものではありません。
降格に相当の理由がなく、降格の結果として被る労働者の不利益が大きい場合には、人事権の濫用として降格が無効となる場合がありますので、慎重な判断が求められます。

本件のように2ランクの降格となる場合でも、1ランクの降格では円滑な業務遂行の体制が整わない事情がある点などを捉えて、有効とした裁判例があります(エクイタブル生命保険事件:東京地決平2.4.27)。